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世界はこう変わる

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2017年12月 4日

ロシアの技術を侮るなかれ

ソ連製の家電はひどかった。旅客機もエンジンの力が弱かった。そんなこんなで、ロシアの技術と言うと、今でも上から目線で見る人がいるが、気を付けた方がいい。と言うのは、ソ連製品が劣っていたのは別にロシア人の能力が低いためではなく、いくつか一時的な理由があったからだ。

 その一つに、西側が先端工作機械や高性能コンピューターをソ連に輸出することを禁じていたため、ソ連の製品は金属加工に難があったし、コンピューターで開発期間を短縮することもできなかったということがある。

 ソ連崩壊前は「ココム」(Coordinating Committee for Multilateral Export Controlsの略)という取り決めが西側諸国の間にあって、金属を完璧に研磨する工作機械や、高速コンピューターの対共産圏輸出を規制していたのだ。本部はパリにあって、禁輸リストは定期的に見直される。小さな部屋に10カ国以上もの代表団が集まって、いろいろの工業製品について、対ソ・中輸出の是非を決めるのだ。小さな部屋でパイプをくゆらす代表がいたり、英国代表団が米国代表団の英語の拙さをいつもからかったり、英仏の通訳が凄腕を発揮したりと、欧米主導の集まりだった。

研磨技術の輸入を制限されたソ連は、ジェット・エンジンのタービンの羽根を研磨することが十分できず、それでソ連製飛行機のエンジンは出力が低く、耐久性が低いと言われていた。コンピューターについては言うまでもなく、核爆弾の爆発シミュレーションや、ミサイルの飛行シミュレーションなどで、ソ連を大いに困らせたことだろう。

 その工作機械やコンピューターの対ロシア、対中国輸出は冷戦時より自由になった。だとすれば、ロシア、中国は米国に近い生産・開発環境で兵器の開発をしているはずなので、米国もうかうかしてはいられないのである。ロシア人が彼らの奇抜なアイデアを、高速コンピューターでシミュレーションして開発し、西側の工作機械で精密に仕上げたら、大変な脅威だ。日本も、「日本の技術は・・・」という大袈裟なうぬぼれを捨てた方がいい。

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