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世界はこう変わる

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2011年12月 8日

春はアラブからロシアへめぐるか

モスクワでは、総選挙の結果に抗議して集会をやったリベラル分子が、1000名ほど拘留された。非人道的な状態で、留置場につめこまれていると報じられている。

最近ブロッガーとして影響力を強めてきたナヴァーリヌイなどが、一網打尽。従って、リベラルはこれから15日間は中心を欠くことになる。次のヤマは10日の土曜日。集会が予定されていて、当局は届け出の300人を超えたら取り締まると言っている。

集会をしている側には綱領がない、組織もない。アラブの春と違って、こうした情勢を利用して勢力を伸ばすイスラム組織に相当するようなものもない。
ソ連崩壊以来、もう20年もお偉方でいる連中に抑えられ、頭にきている若者たちが主に集会に来ているようだ。与党「統一」は、そうしたお偉方の集まりにしか見えないのだ。

クリスマス・新年休暇が迫っている。モスクワは12月中旬から1月中旬まで、ほとんど開店休業になる。今回もそうなって、集会は尻すぼみになるのだろうか? それとも、エリート達がスイス、オーストリアでスキーに興じている間、厳寒のモスクワが騒乱状態になるのだろうか? 

次のヤマは3月4日の大統領選。プーチンが「統一」と手を切る(まだ切ってもいない)のが遅すぎた。彼は昔の皇帝のように、世俗のすべての悪からは超然として、大衆の最後の救いの神でいなければならなかったのが、特権とポストをむさぼる「統一」の連中と同じにされ、自らが争点となってしまった。

リベラルの方にはナヴァーリヌイ以外に適当な人物は見当たらないが、彼が大統領選に出たとしても負けるだろう。リベラルは、ロシアの社会では少数派だからだ。プーチンにとっての脅威は、保守の側からエリツィンのようなデマゴーグが出てくることだろう。

しかし、政治で何が起きても、ロシアの経済はなかなか良くはならないだろう。経済が良くならなければ、政治的な変動がこうして20年毎くらいに繰り返すだけの話だ。

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