Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
ChineseEnglishRussian

世界はこう変わる

Automatic Translation to English
Automatic Translation to English
2011年3月 5日

日本のモヤシはバングラデシュから

昨日聞いた面白い話――
日本のモヤシは普通、「緑豆」(緑色のアズキのような感じ。コーヒー豆からでもモヤシはできるのだそうですが)から作られるのだそうだ。でその緑豆は100%輸入。それも中国から。

で、この前のレアアースのようなことがあると、ラーメンにモヤシのトッピングができなくなるので、「雪国まいたけ」社http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%AA%E5%9B%BD%E3%81%BE%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%91はバングラデシュで緑豆を栽培してもらうことにした。

この頃はバングラの農民も村に一台はパソコンがあるし、農婦も携帯で農産物市況を調べたうえで仲買人との交渉に臨むのだそうだ。だから緑豆栽培は、彼らにとってもいい話。

それでも、海千山千の世界に素手で乗り込んだら、ものごとは決められた通りに進むものと堅く信じて疑わない日本人のビジネスマンなど2日ともたずにハダカにされているだろう。信頼できて、力のある現地パートナーがいないと商売はできない。

そこで雪国まいたけは、あの「ノーベル平和賞をもらったマイクロ・ファイナンスのグラミン銀行のムハマド・ユヌス総裁」に注目した。そのユヌス総裁の人柄にかけたのだ。グラミン銀行は事業に成功して、今ではビジネスを総合的に請け負えるだけの業容になっている。たとえばフランスのダノン社と組んで、安い少量の食品を販売したり、緑豆を集荷して空港から日本へ発送したり。

緑豆1トンあたり、1人の雇用を作ることができる。われわれがモヤシを食べることで、バングラデシュの農民が何千人もちゃんとした所得を手にすることができる。こういうのをウィン・ウィンのビジネスというのだが、しっかりしたパートナーというものは滅多にいない。そのパートナーの信頼を勝ち得るだけでも大変なことだ。

そして、「バングラデシュのグラミン銀行と一緒にモヤシ用の緑豆を作る」というビジネス・プラン、よく社内の稟議が通ったよな。社長に見る目があるのだろう。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.japan-world-trends.com/cgi-bin/mtja/mt-tb.cgi/1425