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世界はこう変わる

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2010年3月30日

地下鉄爆破――これでロシアはまた国内引き締め

昨日モスクワの地下鉄で自爆があって、40名くらいの方が亡くなった。3週間前まで毎日、あの路線に乗っていたので、僕もぞっとした。
この事件で、ロシアではまた国内引き締めが始まるかもしれない。公共料金引き上げや外車輸入税の引き上げで、国内各所でデモが起きており、それをまた正体不明の結社が携帯メールを使ってあおる。政府要人は、「こうした動きには外国が資金を出している」と言っている。
このような時、ロシアではテロが起きやすく、それを契機に当局は国内引き締めに走るのだ。それは19世紀ロシア帝国末期から延々と続く、この国の伝統のようなものだ。
1999年9月、モスクワでアパートが一棟まるまる爆破されて倒壊し、100名以上が亡くなった。これは直ちにチェチェン人の仕業とされて、第2次チェチェン戦争に至る。これを指揮して人気を博したプーチン首相は、その年の12月にエリツィン大統領から権力を禅譲された。
2004年9月、南部のベスランで学校がテロリストによって占拠され、当局との撃ち合いのなかで400名近くが亡くなった。これを契機に地方知事の公選が廃止されて中央の権力が強化され、プーチン大統領の権力にチャレンジした石油王ホドルコフスキーは裁判の末、シベリアに収監されたのである。
今回の事件は、政策をリベラルの方向に振ろうとしていたメドベジェフ大統領を難しい立場に置く。グルジア戦争のときと同様に、彼は政策をこわもての方向に振らないと、2012年の大統領選挙までもたないだろう。

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