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世界はこう変わる

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2009年10月21日

中国海軍は南太平洋で脅威になるか?

8月末の大洋州旅行では、「中国海軍は南太平洋で脅威になるか」どうかという点を見極めたいとも思っていた。中国海軍の脅威をやたら騒ぎ立てるつもりはないが、可能性は冷静に見極めて必要なら手を打っておく必要があるからだ。

中国が空母部隊を建造した場合、米軍の拠点であるグアム島を意識して行動するためにはグアム島から東の方にも展開した方がよく、そうなると南太平洋の島々に中国が海軍基地をもうけようとして地域の緊張が増す可能性があるのではないか?ーーーこれが今回旅行での仮想質問だった。

だがちょっと調べてみると結論は簡単で、あえて質問する気もなくなってしまった。空母部隊が戦力になるまでには10年以上かかるが、その後も、その可能性は考えにくいということだ。なぜか? 
それは中国が海軍基地を作りたいであろうような島々はほとんど、米国と「コンパクト協定」(自由連合協定)を結んで、安全保障を米国に頼っているからだ。中国は既に経済援助を供与しているが、それだけでは十分な地歩を築けないだろう。

サモアでは、中国がサモア政府の建物を建ててやったりしているが、これは軍事的プレゼンスを増やすための布石ではないだろう。サモアはグアムからは遠すぎる。

日本と南太平洋諸国の関係
日本政府は、南太平洋諸国と随分関係を発展させてきた。日本は南太平洋諸国に3年間で500億円のODAをプレッジし、これまでに5回首脳会談を開いている。
日本はカツオ・マグロの7割をこの海域で獲っているし、委任統治していた頃の名残で、住民の2割は今でも日系人だ。ミクロネシアの首相は森さんだ(日本の自由民主党の森元総理とは別人)。

中国と台湾の張り合い
これまで中国と台湾は、南太平洋でも外交関係樹立で競い合ってきた。現在この地域での実績は6:6の互角だそうで、台湾の馬英九政権成立を潮に両国は競争を辞めることにしたようだ。結局、開発途上国にいいように利用されてしまうからで、それは屈辱的でさえあったようだ。

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