2019年10月14日
中国、いよいよイランに出兵か
(これは9月25日発行したメルマガ「文明の万華鏡」の一部分です)
9月12日付ロシアの独立新聞によると、中国はイランに2800億ドルの融資(ちょっと大げさな数字)を約束、原油輸入を大幅に増やすとともに、自分の工場等を守るために、5000名の保安要員の派遣につき、イラン当局と合意した。中国の企業はこれまでも、アフリカや中東での投資案件警備には民間の警備会社を雇ってきたので、これをイランでも大々的に展開するというのだろうか。
しかし、中国の民間警備会社は次第に武装度を強化して米国のブラックウォーター(既に改名)や、ロシアのプリゴージンのWagner社のような傭兵企業的な存在になる可能性がある。中国、イランの間には既に数年、軍事協力についての合同委員会を立ち上げようという動きがあるのだ。
面白いことは、ブラックウォーターを設立したErik Princeが、香港にFrontier Services Groupを設立、そこを足場に中国の海外警備員養成を手伝っているとの報道があることだ。警備会社が海外で中国系施設を警護するような場合、やることは傭兵と似てくるので、彼のアドバイスは貴重なのだ。彼はトランプ政権の教育長官Betsy DeVosの兄弟で、スティーブ・バノン――トランプの大統領選の参謀――とも親しいのだが、そのバノンは6月、香港の民主化集会で登壇している。彼は「民主主義」よりも、習近平政権の足を引っ張る方に関心があるのだろう。魑魅魍魎の世界。カネになるなら誰にでもつく、というわけか。
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