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世界はこう変わる

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2018年5月10日

米国からの金の流出

最近、米連銀が預かっている金(gold)を、諸国が引き取る例が目立つ。中でも最大のものはドイツで、冷戦時代にソ連からの攻撃を恐れて米連銀(他に英仏の中銀にも)に預託していたドイツの金は、2012年末時点で2342トンにもなっていたが(本国には1000トン強で、合わせて世界第2位の金準備高)、ドイツはこれの一部を本国に引き取り始め、2017年8月には当初計画より約2年半前倒しの形で、作業を完了。ドイツ連銀に約1710トン(全体の約50.6%)、ニューヨーク連邦準備銀行に約1236トン、イングランド銀行に約432トン預託の体制とした(フランスへの預託は停止。以上は2017年12月26日付エコノミスト誌)。

金を本国に移管する動きは、ドイツに限らない。ベネズエラ、オランダ、オーストリア等は、「米連銀は手元の金を勝手に運用している。連銀管理の金は実は枯渇している」という噂を信じてか、米連銀に預託した金の引き取りを強化した。4月21日のFinancial Timesは、Thieleドイツ連銀総裁の言として、「自分は2012年と14年、米連銀で実際に金が保管してあるのを確かめた」というのを報じてはいるのだが。

 中国、ロシアは、ドル暴落を警戒してか、あるいは将来金(gold)をベースに自国通貨を基軸化するのを狙っているのか、金準備を増やしている。2月27日付ロシアSputnik通信によれば、ロシア中銀は1月現在1857トンの金を保有している。中国の金保有高は不透明で、1000トン強から3000トンまで推計値は広がっている。いずれにしても、これっぽっちの金では、世界の貿易・金融取引を仲介できるわけがなく、中国、ロシアのマスコミが言い立てる「ドル支配体制の打破」はできそうもない

 他方4月21日付のCentrasia通信によれば、トルコはこれまで米連銀に220トンの金を預託していたが、最近シリアのクルド問題の扱い等で米国との間で摩擦が高まる中、これの引き上げ、イングランド銀行への預け更えが行われている。
 
日本政府・日銀はこうした中で「何もしていない」とよく批判を受けているが、公式の金準備だけでも800トン弱で世界10位以内、これに「都市鉱山」(民間保有とか、電気製品に使われている金とか)埋蔵の6800トンを加えると、トップ・クラスの金保有国なのだそうで。何もない筆者は、せいぜいいつまで経っても上がらない金信託投資でも続けるしかないのだが。
 

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