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世界はこう変わる

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2017年12月13日

南シナ海の人造島の脅威度

(これは、11月22日発行したメルマガ「文明の万華鏡」第67号所載の記事の一部です。
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南シナ海に中国が島を作ったことは、いくつかの意味を持っている。一つは多分、海南島基地に配備される中国原潜が有事には外洋に出て、米国向け長距離ミサイルを発射できるように(外洋に出ないと、届かないようだ)、南シナ海の安全を確保しておきたいのだろう。ただその為の潜水艦哨戒能力は中国にはまだ不足しているし、その能力が十分でない間は、有事に人造島はこの海域に潜んだ米軍潜水艦から巡航ミサイルの攻撃を受けて滑走路、港湾を破壊され、使用不能となるだろう。

更に、この南シナ海にはベトナムがもろに面していて、中部のカムラン湾を基地にして6隻のロシア製新造潜水艦を展開しようとしている(「軍事研究」2016年10月号)。この潜水艦は対艦ミサイルに加えて、地上目標を攻撃できる巡航ミサイルも装備するようだ。そしてベトナムはロシア、オランダからフリゲート艦を購入して、対潜水艦戦闘能力も向上させる。ロシアは北方では中国と手を握っていながら、中国の下腹部には匕首をつきつけている格好なのだ。それだけではない。この地域には火山も多いので、2004年のような大津波が起きれば、人造島は壊滅するだろう。

これらの島を足場に中国が、南シナ海を通航する外国船を「臨検」したり、いやがらせをすることは、平時にはあるまい。と言うのは、南シナ海は日本も含めて多数の国の重要な通航路になっているのだが、これに最も依存しているのは実は中国自身で(広州、香港など中国経済の心臓部への物流の多くが南シナ海を通る)、もしここに米軍潜水艦が潜んで中国の商船を闇討ちでもすれば、中国経済はもう成り立たない。日本などは、南シナ海が危なくて通れなくなっても、少し大回りしてインドネシアのロンボク海峡あたりを通っていれば、インド洋方面との海運には困らない。

人工島の建設は、島の領有権をめぐるフィリピン、マレーシア等との紛争を、力づくで中国に有利に「解決」する意味も持つ。これは日本や米国がASEAN諸国の言い分をいつも支援することで支えてやらないといけない。

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