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2017年11月26日

あれはいったい何だったのか? トランプのアジア歴訪

(これは、11月22日発行したメルマガ「文明の万華鏡」第67号所載の記事の一部です。
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 トランプは米国大統領としては異例の、2週間にもわたる外遊で、日本、韓国、中国、ベトナム、フィリピンを歴訪した。毎年この時期にはAPEC首脳会議、東アジア首脳会議が開かれるので、米国大統領はアジアに来ることになっているが、異例の長期。米国では「政治をやっているのはトランプ大統領ではない。彼はワシントンで作られる政策にあれこれコメントするだけの存在」という通念ができあがっているので、ワシントンでいろいろかきまわされるより、外国にいてもらう方が、ワシントンのエリート達にとってはハッピーなのだろう。

だがその割には、フィリピンでの東アジア首脳会議に出ない、出ると二転三転した後、とうとうすっぽかして帰国した。その上トランプは、北朝鮮の核ミサイル、南シナ海での中国の攻勢、中国の対米貿易黒字問題などローキーで終始したため、テレビ画面では米中共同支配時代の到来と言うか、それさえ超えて、米国の賛同を得ての中国のアジア支配時代の到来という雰囲気が醸し出された。2週間にわたるトランプの外遊にもかかわらず、アジアでの米国の存在感は益々小さくなったのである。

 それでもトランプの出先の諸国は戦々恐々だった。トランプのツイッターの一言で自分の国内での地位、そして米国との関係に決定的なダメージを受けかねないので、各国指導者は懸案・係争事項の議論は極力回避、もっぱら「おもてなし」でごまかした感がある。米国は腐ったりと言えども鯛、やはり世界の超大国なのだ。

 訪日についても、公式訪問なのに共同声明もない。北朝鮮問題についても何も新味なく(北朝鮮もすっかり音なしの構えだ)、南シナ海の境界、航行安全問題も前面に出なかった。米国務省のアジア担当次官補など関連のポストに人がいないことも、米国の外交力を下げているのだろうし、訪問された側もそれを悪用して、何を言うかわからないトランプと懸案問題を話し合うのを極力避けたのだろう。

 ただ殆ど報じられていないが、オバマ政権時代末期、ドゥテルテ大統領との人権問題をめぐるやり取りで後退していた米比関係が、ミンダナオ島のイスラム・テロ分子掃討で米国が特殊部隊を現地に派遣、情報支援等をした(戦闘には加わらなかったと報じられている)ことが示すように、回復したことは大きい。但し、このイスラム・テロ掃討には中国も資金・武器供与をしており、APEC首脳会議の際の会談で、ドゥテルテ大統領は習近平主席に感謝の意を表している。

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