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世界はこう変わる

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2011年11月27日

プーチン首相が野次り倒された?

4日程前のレスリングの大会で、リングに上がって挨拶したマッチョのプーチン首相に、会場からブーイングの嵐――こういう報道がある。

YouTubeを見てみたがhttp://www.abc.net.au/news/2011-11-22/putin-booed-and-heckled-on-fight-night/3685342、確かにブーブー言っている。だがそれがプーチンに向けられたものかどうかはわからない。ただ場面の最後に中年の男とおぼしき声で、「消え失せろ(ウハジー)!」と入っているのは強烈だ。

最近のロシアの世論調査では、首脳陣への支持率が一貫して低下しているようだ。それでも、12月4日の総選挙で与党「統一」が取る投票数はもう「プログラムされている」のだ、という報道もある。

そんなロシアでは、「プーチンがホルーエヴォに来る時」という歌が流行っているのだそうだ。ソ連時代の反体制的な歌手マカレーヴィッチ(日本の全共闘世代と同じく、もう初老なのだが)の持ち歌で、プーチン首相がホルーエヴォという僻地の農村にやってくる時の、小役人たちのじたばたぶりをおちょくっているhttp://www.youtube.com/watch?v=g35ALkh3G4E。まるで19世紀、ゴーゴリの「査察官」(「検察官」)の世界そのものだ。

このギターで唄う物悲しいメロディーは、シャンソンをまねたロシア特有のジャンル。景気がよければ忘れられているが、ソ連末期など時代が閉塞感を呈すると、モスクワのどこかから舞い戻ってくるのだ。

でも、プーチン首相は来年3月にはまた次の大統領に当選して、なんとかやっていくだろう。2000年、彼が初めて大統領になったときも、エリツィンにくらべて線が細くて、なんとなく心細かった。その8月に原子力潜水艦「クールスク」艦内でミサイルが暴発して乗組員全員が亡くなったときは、プーチンは休暇中。騒ぎが大きくなって、軍港まで出かけて行って、遺族たちとの厳しい集会に出席せざるを得なくなった記憶がある。それに先だってクレバノフ副首相が遺族に釈明をしているが、そこでは激こうした遺族が後ろから鎮静剤らしきものを注射される場面が有名になったhttp://www.rippingyard.com/seed/1194/

その頃は「クークルィ」というあやつり人形が演ずる政治風刺テレビ番組が人気だったが、プーチン大統領はここで一国の指導者にあるまじきおちょくりぶりをされていたものだ。その番組もディレクターの一人が自殺して、じきに閉鎖になったが。

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