Japan and World Trends [日本語] 日本では自分だけの殻にこもっているのが、一番心地いい。これが個人主義だと、我々は思っています。でも、日本には皆で議論するべきことがまだ沢山あります。そして日本、アジアの将来を、世界中の人々と話し合っていかなければなりません。このブログは、日本語、英語、中国語、ロシア語でディベートができる、世界で唯一のサイトです。世界中のオピニオン・メーカー達との議論をお楽しみください。
ChineseEnglishRussian

世界はこう変わる

Automatic Translation to English
Automatic Translation to English
2020年9月11日

この15年、当てた予言、外した予言

(これは8月26日発行したメルマガ「文明の万華鏡」第100号の一部です)

このメルマガ、100号を記念して、この15年間の仕事の中で、当てた予言と外した予言をいくつか書き留めておきたい。いつまでも生きられるわけではないので。

1)ロシアのことについては、随分外した。例えば2014年3月、ロシアがあんなに速くクリミアを併合するとは思わなかった。坊ちゃん育ちなので、どうしてもロシア性善説に傾いてしまう。(あてたことも多いのですが)

2)中国についても最初はそうだった。中国の発展はpoint of no returnに達していて、その様は新しくて巨大な日本が誕生したようなものだ、米国はこれに対処するのに手こずるだろうが、共存の道を探っていかねばならないと英語でも書いたのが、2005年1月。これは少し時を置いてブログhttp://www.japan-world-trends.com/en/theses/the_surge_of_china_and_japans.phpにアップした。同じ趣旨は少し書き換えて中央公論に投稿した。
http://www.japan-world-trends.com/en/theses/the_surge_of_china_and_japans.php

しかし2008年のリーマン危機を中国だけが乗り切って、めっきり自己主張を強めてきたことで、僕も警戒心を高めた。「中国は西側の資金と技術で得た力で、西側にとびかかってきた」と感じたのである。
2010年にワシントンに行く機会があったが、その時米国経済を盛り返し、中国を抑えるのに好適なのは、製造業を中国から米国に戻すことだ、すでに労賃の面では両国の差は縮まっているという趣旨を何人かの識者に述べ、自分のブログでも発信した。
http://www.japan-world-trends.com/en/theses/japan/economy/why_produce_things_for_the_us.php
トランプとかナヴァロがそれに動かされたとは全然思わないが、この面での彼らの政策は支持したい。

3)ロシアに対しては、原油に過度に依存した経済を早くやめろと何度も繰り返している。西側の原油メジャー自身が代替可能エネルギーで稼ぐ方向に転換し、(その利益率を上げるために)自ら化石燃料を叩くようなことになりかねない、ということは、ロシア語でも何度も書いたし、最近では雑誌のオガニョークにも投稿している。日本語では、著書「ロシア皆伝」等で、そうなったらプーチンは、ロシア史の片隅に名を遺す程度の存在で終わるだろう、と何度も書いている。これは悲観論なので、当たるのではないか?

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.japan-world-trends.com/cgi-bin/mtja/mt-tb.cgi/4022